カロリー制限 vs糖質制限どっちがいいですか?

ダイエット

カロリー制限すると痩せにくくなる

ダイエットのために極端にカロリーを制限した生活を送る人、いらっしゃいますよね。一時的に、体重計に乗るのが楽しくて仕方がない時期があると思います。しかし実はカロリーを極端に制限したダイエットの末には、過酷な生活が待っています。

カロリー減ると省エネモードON

カロリーを制限した場合、私たちの体が本能的に優先して行う事は

消費エネルギーを減少させることです。

いわゆる体全体の省エネモード発動ですね。体に入ってくるカロリー量が突然減ると「今後も今の飢餓状態が続くかもしれない…」と体が危機感を覚え、減ったカロリーに体を合わせていこうとします。

食べるエネルギー量よりも使うエネルギー量の方が多い時、脂肪が燃えます。しかし食べるエネルギー量に合わせて消費するエネルギー量が減ったら、お腹のお肉は思うようには減りません。これは人間が

過酷な自然界で生き残るために

DNAに刻み込まれた防衛手段です。

今さらお腹の肉が邪魔になったからといって、この基本的なメカニズムを亡きものにすることはできません。カロリー制限による省エネモードONという事実は、数々の論文で証明されています。

体積減るとエネルギー消費も減る

体重が落ちると体の大きさが小さくなるので、消費するエネルギーは少なくなります。例えば、好きな食べ物を我慢し、毎日500Kcalカロリー制限をして、体重が3Kg落ちて完全に下げ止まったとしましょう。その体重が、あなたが我慢している食生活で得られるカロリーと、あなたの基礎代謝がイコールになった体重です。3キロ落ちて満足なら、一生懸命我慢したその食生活を続ければ3キロ減を維持できます。

さらに3Kg体重減らしたければ、体重が落ちると消費エネルギーが減るので、カロリーは500Kcalよりもさらに多く減らす必要があります。体重が下がれば下がるほど、食べる食事をどんどんどんどんカロリーオフにする必要があります。これって凄く辛くないですか?

カロリー制限中は空腹が続く

カロリー制限はエネルギーの消費量が落ちるだけでなく、お腹がいっぱいになったことを知らせる

満腹ホルモンの『レプチン』が減少します。

代わりに、

空腹ホルモンの『グレリン』が増加します。

わかりやすく言うと、ホルモンの仕業で常にお腹が空いているということです。よく「食べなくても空腹に慣れて大丈夫になった!」と言う人がいますが、レプチンとグレリンのホルモンの働きを考えると、空腹に慣れるなんて事はありません。

 

おそらく過剰なカロリー制限によって、血糖値が下がりすぎて体が危機を感じ、アドレナリンの補正が入り、アドレナリンのおかげでお腹がいっぱいになったような気持ちになっているだけです。アドレナリンが血糖値を補正してる間、周りから見たらとてもイライラした、起こりっぽい、ヒステリックな人間に見えています。痩せても全然美人じゃないですねぇ

糖質制限は最初がすごい

糖質制限は最初の体重減少の反応が早いです。

糖質制限の体重の落ち方に感動して

と行った投稿をSNSで見かけるのはこのため。もともと糖質制限食は初速が早いことで有名なんですよ。

インスリン抵抗性の改善が見込める

健康的になれるという意味でも、糖質制限の方が効果的です。というのも

インスリン抵抗性の改善が

糖質制限はものすごく良い

ので、新たな脂肪ができるのを予防する効果も得られます。(インスリン抵抗性って何?という方のために、インスリン抵抗性と太るメカニズムについてこちらを参考にしてください。)

長くは続かない…糖質制限

こちら2010年の海外の論文の結果です。カロリー制限と糖質制限、長期的に見てどちらがダイエット効果が高いのかを見た研究になっています。

http://europepmc.org/article/PMC/2949959

このグラフを見ていただくと分かるように、おおよそ3ヶ月ぐらいは糖質制限の方が体重が落ちてとても有利です。でも…

やっぱり糖質制限は辛い!という人が多々。

とにかく続けられないんです。

そのため、糖質制限はせっかく痩せてもリバウンドしてしまう人が多いのが特徴です。2年間フォローアップした研究結果によると、最終的な体重減少のパーセンテージは7%。つまり100キロの人が7キロ減ったという結果です。50キロの人なら3.5キロ。糖質をさんざん我慢して、辛い食生活を送るのに3.5キロ減か…我慢のわりに思ったよりも体重減らないな。と私は思いました。しかもこの結果、体重が100キロ越え、BMI30以上の結構太めの人を対象とした研究結果です。これより痩せ型の人の場合、これよりも体重の減りは悪いことが予想されます。

鍵は続けられる方法かどうか

ダイエットで最も大切なことは、一時的に体重が落ちることではなく、持続的に体重が落ち続けていることです。つまりリバウンドをさせないことが重要になります。リバウンドしないために大切な事は

とにかくダイエット習慣が続けられること。

です。この観点から見て、糖質制限はリバウンドをする人がとても多い。5年10年継続させることがとても難しいダイエット方法です。

巷で人気のいろいろな手法のファスティング。この中でどのファスティングが最も有効かと言われているかは別のブログでまとめますね!

ブイシマン

ブイシマン

お元気戦隊ブイシマンです!看護師でアンチエイジング学会オタクです。 美容皮膚や分子栄養学などのアンチエイジング分野が好きすぎて学会に行きまくっていたら、お医者さんや看護師さんに学会の情報を聞かれるようになったので、ブログにまとめることにしたのがきっかけで書いてます。 勉強すると欲しいものが増えるのですが、なかなか世の中に納得いくものが見当たらないので、自分が欲しいものは全部製造して販売してます。

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アンチエイジング系学会が好きすぎて行きまくっていたら、お医者さんや看護師さんに学会の情報を聞かれるようになったので、ブログにまとめることにしたのがきっかけで書いてます。 勉強すると欲しいものが増えるのですが、なかなか世の中に納得いくものが見当たらないので、自分が欲しいものは全部製造して販売してます。

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