SPFとPAの違いって何?美肌の基本・日焼け止め徹底解説!

美容医療

などなど、美容の世界で一番お世話になっている化粧品なのに、実際にはあまり詳しくない方が多いのが日焼け止め事情。しかし、一番のアンチエイジング方法は紫外線による光老化対策です。それはすなわち、日焼け止めを制したものが美容を制すっ!今日は紫外線シーズン本番前に日焼け止めについてがっつりマスターしましょう!

日焼け止めは最も安価で効果的なスキンケアグッズ

老化の最大の原因は、紫外線です。よく「私のお母さんもしみやシワがこんな感じだったなぁ…」と、美容的な問題点を遺伝のせいにする人がいますが、実際に遺伝的な要素はたった25%。実は老化の75%は間違いなくあなたの生活習慣によるものです。その中でも、美容的な問題の原因の大半は日光…つまり紫外線のダメージから発生しています。

紫外線は、肌の遺伝子そのものを傷つけてしまったり、肌を構成するコラーゲン繊維をずたずたにしてハリをなくしたり…今まさにあなたが悩んでいるトラブルの原因はほぼ紫外線から発生しています。老化の原因の大部分が紫外線なのですから、紫外線をしっかりカットすることこそが美容の第一歩。しっかり紫外線ダメージから肌を守るだけで、無駄な高級クリームが必要なくなるかもしれません。

日焼け止めを塗る目的は遺伝子攻撃を防ぐため

常日頃、太陽からは常時たくさんの種類の光線が降り注いでいるのですが、その中でも紫外線はエネルギー量が強く、遺伝子を傷つけるほどの殺傷能力をもっています。なお、流行りのブルーライトというのは上の図でいう青い色の部分の光線のことです。あまり強くないんですが、最近浴びる量が増えたのでくすみの原因の一つとしてクローズアップされています。紫外線や赤外線と違ってブルーライトだけずいぶん洒落た呼び方なのですが、おそらく青光線だとちょっとダサいからおしゃれに言ってみたのでしょう。

UVAはしわやたるみの原因になる紫外線

UVAは肌の奥まで届く紫外線です。真皮層まで届いて、コラーゲンやエラスチンといった肌の弾力を作る繊維をずたずたと傷つけてしまいます。また肌の内部に活性酸素を大量に発生させるので、くすみの原因にもなります。なお、室内にいても日に焼けるというのはこのUVAのしわざ。UVAは古いタイプのガラスは突き抜けることができるので、ガラス越しでもしっかり日に焼けてしまいます。

UVBはシミやそばかすの原因になる紫外線

UVBはUVAとは違い、肌の表面までしか届きませんが、肌の表面に炎症を起こします。日焼けをすると肌が赤くなってしまうのはUVBの影響です!炎症を起こすと、その周囲には大量のサイトカインが発生します。サイトカインはいわば細胞同士のメッセージカードです。そのメッセージカードを受け取ったメラノサイトは「やばい!たくさん紫外線くるんじゃない?!」と慌ててたくさんメラニン色素を作り出しだして肌を守ろうとします。それがシミやそばかすの原因です。

UVCは皮膚がんの原因になる紫外線

UVCはオゾン層のおかげで地球上にはほとんど降り注がない紫外線でしたが、近年オゾン層が破壊されてきてUVCも地上にまで届くようになってしまいました。UVBよりも有害といわれていて、しみやそばかすやたるみといった美容的な問題点だけでなく、皮膚がんなどのリスクを上昇させると言われています。なお、日焼け止めはUVAとUVBをブロックするもので、UVCはブロックできません。

紫外線と一言でいってもこんなに種類があって受ける影響もさまざま…しかし、細かいことはおいといて、ざっくり言ってしまえば

紫外線は美容的なことだけ考えれば憎き敵

です。紫外線をブロックしてしすぎることはない!と言えます。

日焼け止めのSPFってなんですか?

SPFとはサンプロテクションファクター(Sun Protection Factor)の略です。紫外線の中でもシミやそばかすの原因となりやすいUVBをカットする目安の数値です。SPF値は数が大きいほど効果が大きくなります。日本の基準だと、SPFは1〜50の範囲内です。SPF50以上の効果があるものはSPF値の右に小さく+が足されて表現されます。海外だと数値の表現はもっと高くまで記載してよいです。なので飲む日焼け止めで一世を風靡したヘリオケアのシリーズの日焼け止めは、海外製品ですのでSPF90という日本ではなかなかみられない数値が表記されています。

SPFの数字が意味することは?

『SPF30と50ならSPF50のほうが50倍のパワーで日焼けを防止してくれるんだわ!』と勘違いしている人がいます。SPF値の大きさは、一定時間において日焼けを防止できるパワーの強さを表しているのではありません。SPF値は紫外線に当たり始めてから日焼けをした状態になるまでの時間を◯倍伸ばす事ができる!という意味です。例えば、いつも10分で日焼けしてしまうお肌の人にSPF30を塗ったなら、10分✕30倍=300分かかって日焼け状態になるということです。SPF50ならば10分✕50倍=500分かかって日焼け状態になるということです。

日焼けってどこからが日焼け?

【日焼け】とは、肌に赤い斑点が出て炎症を起こしている状態になることを指します。デイリーで少し浴びる紫外線の影響とか、赤い斑点が出てないような状態はまだ日焼けとは呼ばないんです。なお、日焼け状態になるまで何分かかるかは個人差がありますが、だいたい15分~20分の方が多いです。

日焼けってどこからが日焼け?

肌のタイプによって赤い斑点が出るまでの時間は変わります。肌のタイプは全部で5種類で、アジア人はだいたい肌タイプⅡかⅢの方が多いです。肌タイプⅡに属する人は日焼けをするまでおおよそ15分、肌タイプⅢに属する人は日焼けをするまでおおよそ20分程度なので、ここは20分で計算をしてみたいと思います。

SPF30だと20分✕30=600分。つまり10時間。SPF50だと20分✕50=1000分。つまり16時間。SPF90だと20分✕90=1800分。つまり30時間。なんと24時間を超えている!!!日常使いの日焼け止めでも、こんなに長い時間日焼けを止められるんですね!

こんなの嘘だ!塗ってても日焼けするぞ?!と思った方、多いと思います。そうなんです。これは理論値であり研究段階での日焼け防止効果を示すもの。日常生活は実験室とは違います。そのため、この理論値ほど日焼け防止ができなくて当たり前なんです。これは後述します。

PAってなんですか?

PAとはプロテクショングレイドオブUVA(Protection Grade of UVA)の略です。紫外線の中でもしわやたるみの原因となるUVAの防止効果を表す目安の数値です。 PAに続く+の数の多さがUVAに対するブロック効果の高さを示します。SPFと違い、PAはざっくりとした4段階しかありません。

日焼け止め塗っても日焼けしてしまう理由

毎日日焼け止めを塗っても、思った以上に日焼けしてしまう!おすすめの日焼け止めを教えてくださいと聞かれることも多々あるのですが、その前に今使っている日焼け止めを見直してみましょう。

そもそも日焼け止めを塗る量が少ない

日焼け止めを塗るとき、うすーくさらりと塗り終わっていませんか?先ほど説明したSPF値の説明において、SPF30は何も塗らないときよりも30倍日焼けするまでの時間を遅らせることができるとお伝えしました。しっかりとした日焼け止め効果を発揮するためには1cm✕1cmの肌に2mgの日焼け止めを塗った場合という条件がつきます。1cm✕1cmの肌に2mgの日焼け止めの量なんてピンと来ないですよね。

手の甲だとこんな感じです。 つまりけっこうべっちゃべちゃに塗らないと、理論上の数値ほどブロックできないんです。

化粧をするときにすでに落としている

日焼け止めを塗って、即化粧をしているという方!ちょっと落ち着きましょう!日焼け止めはきちんと厚みがないと効果を示さないのですが、日焼け止めが乾燥して肌に落ち着く前からファンデーションのパフをポフポフしてしまう人がいます。それはつまりパフに日焼け止めを吸わせているのとおんなじです。また、すぐに下地やなどで伸ばしてしまうのも問題。一般的にお化粧は顔の高い位置から外側に向かって行っていくので、鼻の頭や頬骨の部分、そしておでこなどの日焼け止めの厚みは薄くなりやすいです。紫外線で悪化すると言われる肝斑の好発部位は、おでこ、鼻の頭、頬骨の部分、そしてあごなのですが、みごとに日焼け止めが薄くなりやすいところとリンクしているんですよ。

自然と取れてしまうことが考慮されてない

あなたは今朝起きてから、何回顔を触りましたか?個人の癖なのでかなり幅はありますが、おおよそ1〜2分間に1回程度、何かしらの理由で顔を触っているというデータがあります。ファンデーションをした顔に頬杖を付けば、頬杖をついた側だけファンデーションが取れてしまうのとおんなじで、触った数だけ肌に載せた日焼け止めはとれます。人がついつい触ってしまう部位として有名なのが、目周り、鼻、そしてあごです。

水に溶けることが考慮されていない

ウォータープルーフの日焼け止めは水や汗に流れないから安心!と思っていますよね。そのとおりなのですが、ウォータープルーフとは、日焼けを実際に止める酸化チタンをマゼマゼしているベースが肌から落ちにくいだけであって、日焼けを実際止める酸化チタンなどの成分は水で流されます。つまり、水や汗を浴びたらばっちり日焼けするということです。

「え?一体どういうこと?」と思った方のためにわかりやすい例をお伝えします。。天ぷらを作ろうと思ったとき、水と少量の油、そして天ぷら粉を入れて混ぜた衣を作りますよね。その後、天ぷら粉でベタベタになった手を水で流すと、天ぷら粉はほとんど水で流れてなくなりますが、手にはベタベタの油だけ残ります。日焼け止めに置き換えるならば、天ぷら粉が酸化チタン、手に残った油がウォータープルーフ成分です。つまり、水で落ちにくいのは日焼けを実際に止める酸化チタンではなく、それを溶かしている成分なだけ。これが塗り直しをしないと日焼けする最大の理由です。なお、どんなに強いウォータープルーフをウリにした日焼け止めにも、小さい字で「こまめに塗り直しをしてください」と書いてあります。

日焼け対策はこまめな塗り直しに尽きる

日焼けをしないために守るべきことはこまめな塗り直しです。 結局塗り直しが一番最善最短の美容法なんですね。塗り直しの理想値は2時間毎といわれています。2時間?!と驚愕した方も多いと思うのですが、デイリーならこんな感じになります。まず朝顔洗ってスキンケア後にまずたっぷり日焼け止めを塗ります。そう、まるでパンに塗るバターのようにっっっ!そしてパンでもかじりながらじっくり日焼け止めを定着させます(約10分と言われています) 。その後お化粧を始めます。昼休み、何はともあれとにかく鼻、頬骨、顎はしっかり塗り直しをします。大丈夫、そこはすでにファンデーションも取れています。もしどうしても日焼け止めが塗りなおせない人はせめてパウダーでカバーします。おやつの時間も塗り直せれば最高! です。

手間すぎる!と思った方も多いと思うんですが、一本ウン万円もする美容液を多用するよりも確実で効果的なスキンケアです。そして、いつの日か「この顔やばい!」と思った時、若さを取り返すために必要なのは美容皮膚科での治療です。しかし、そのためにかかる値段はウン十万円…。クリニックでの治療に大金をかけることを考えると、毎日の日焼け止めって実はすごい価値の高い美容ケアなんですよ〜。

まとめ

とにかく美肌になりたかったら日焼け止めです!クリニックで治療をする人でも、しっかり日焼け止めを塗っているひととそうでない人には結果に差が出ます!他をがんばれなくても、日焼け止めだけはがんばりましょー!


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ブイシマン

ブイシマン

お元気戦隊ブイシマンです!看護師でアンチエイジング学会オタクです。 美容皮膚や分子栄養学などのアンチエイジング分野が好きすぎて学会に行きまくっていたら、お医者さんや看護師さんに学会の情報を聞かれるようになったので、ブログにまとめることにしたのがきっかけで書いてます。 勉強すると欲しいものが増えるのですが、なかなか世の中に納得いくものが見当たらないので、自分が欲しいものは全部製造して販売してます。

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アンチエイジング系学会が好きすぎて行きまくっていたら、お医者さんや看護師さんに学会の情報を聞かれるようになったので、ブログにまとめることにしたのがきっかけで書いてます。 勉強すると欲しいものが増えるのですが、なかなか世の中に納得いくものが見当たらないので、自分が欲しいものは全部製造して販売してます。

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